VDSL方式とは?光なのに速度が100Mbpsになる理由・光配線方式(1Gbps)との違いも解説。

VDSL方式が採用されているマンションのイラスト

光回線は最大1Gbpsの高速インターネットが使い放題になることが魅力ですよね!

しかし、お住まいのマンションがVDSL方式に対応してしまっていると、最大速度はたったの100Mbpsしか出なくなります…。

当ページでは、

  • VDSL方式とは何か?
  • なぜ、VDSL方式は最大100Mbpsと遅いのか?
  • どうして自分のマンションはVDSL方式になったのか?
  • なんとかして1Gbpsにできないものか?
  • 実際の利用者からの評判は悪いの?

といったVDSL方式に関するよくある疑問を全て解決していきます。

もくじ
  1. VDSL方式とは? すぐに分かるイラスト解説。
  2. 【注意】VDSL方式は最大速度が遅いことが最大の欠点
  3. 光配線方式ではなく、VDSL方式になる2つの理由とは?
  4. VDSL方式になっても光配線方式(1Gbps)を使う方法はある?
  5. VDSL方式(100Mbps)の通信速度は本当に遅いのか?実際の口コミや評判を調べてみた。

VDSL方式とは? すぐに分かるイラスト解説。

まずはじめに、VDSL方式の意味を確認してみましょう。

VDSL方式の意味

【正式名称:Very high-bit-rate Digital Subscriber Line】

  • Very high-bit-rate:高速の
  • Digital Subscriber Line:デジタル加入者回線

デジタル加入者回線とは、従来の電話回線を利用して通信を可能にする技術のこと。

※注意:「高速の」とありますが、これは昔に使われていたADSL(最大速度50Mbpsほど)よりも速いことを意味しているだけです。混乱させられないように。

さっぱり意味がわからないですね!イラストを使って解説していきます。

VDSL方式とは、マンション内の配線方式のこと。

みなさんがお住まいのマンションには、電柱を走る1本の光ケーブルが共有スペースまで引き込まれていることをご存知ですか?

光回線のサービスが使えるマンションでは、電柱から1本の光ケーブルがマンションの共用スペースまで繋がっている。

ご存知の方も多いでしょう。

では、1本だけ引き込まれてきた光ケーブルはどのように各部屋まで配線されているのか?(= 繋がっているのか?)

結論からお伝えすると、配線方式は3種類あります。

  1. 光ケーブルで配線
    (光配線方式:1Gbps【1,000Mbps】)
  2. 電話線で配線
    (VDSL方式:100Mbps)
  3. LANケーブルで配線
    (LAN配線方式:100Mbps)

※LAN配線方式は滅多にありません。

このうちの1つが、VDSL方式なのです。

配線方式はマンションごとに決まっているもの。

マンションには3種類の配線方式いずれかに対応していることを知りました。

ただし、配線方式はわたしたち住人が選べるものではありません。

マンションの構造によって決まるものです。

ですので、今回VDSL方式になってしまった人は、マンション自体がVDSL方式のみに対応していることになります。

※マンションがVDSL方式に対応している理由は後述します。

【注意】VDSL方式は最大速度が遅いことが最大の欠点

VDSL方式で光回線を使う場合、最大速度は以下の通りです。

下り最大速度
(ダウンロード速度)
100Mbps
上り最大速度
(アップロード速度)
100Mbps

1Gbps(1,000Mbps)と比べると10分の1という遅さ…。

VDSL方式の速度はどうして遅い?

1つの回線終端装置から電話線を各部屋に分岐していることが原因です。

VDSL方式をさらに詳しく描いたイラストで原因を確認してみましょう。

共有スペースにある回線終端装置から、電話線が各部屋に分岐している。

簡単に言うと、住人みんなが電話線を使って1つの装置を共有しているわけです。

共有することから、VDSL方式は共有型やシェアード方式などとも呼ばれたりします。

光ケーブルから流れてきた光信号は、電話線をそのまま通ることができません。

そのため、回線終端装置が光信号を電話線でも使える形に変換します。

ここまでは普通の事です。

しかし、回線終端装置は各部屋すべての信号を処理しなければいけないので、あまりに多くの負荷をかけすぎるとパンクしてしまいます。

そのため、最大速度を100Mbpsまで制限しているのです。

光配線方式ではなく、VDSL方式になる2つの理由とは?

どうして自分の住んでいるマンションが光配線方式(1Gbps)ではなくVDSL方式(100Mbps)になってしまったのか気になりませんか?

光配線方式(1Gbps)とは?

最大速度が1Gbpsの配線方式のことで、最近のマンションではごく普通に対応している配線方式のこと。

VDSL方式とは違い、各部屋には光ケーブルがつながっている。

光回線本来の高速通信が実現できる。

マンションがVDSL方式に対応してしまった理由は2つあります。

  1. マンション内部の構造的に光ケーブルが配線できなかった(物理的な原因)
  2. コスパの良さが理由でVDSL方式を採用している(お金の理由)

理由1.マンション内部の構造的に光配線方式が採用できなかった。

みなさんだけでなく、マンションオーナーもできるだけ高速のインターネット環境を提供したいと思っています。

しかし、光ケーブルは折り曲げに弱いという性質を持っています。

ですので、マンション内の構造が古い、もしくは複雑な場合は各部屋まで光ケーブルを配線できないのです。

たとえば、築年数が古めのマンションは光ファイバーケーブルを配線することを前提に建築されておらず、VDSL方式になってしまう確率が高いです。

(築年数が新しいマンションではほとんど光配線方式です。)

一方、VDSL方式で使われている電話線は昔からほぼ全てのマンションに導入されています。

昔は携帯電話ではなく電話線による固定電話が主流だったため、今でも各マンションの部屋に電話線がつながっているのです。

ですので、光ケーブルが配線できないマンションでは電話線を応用してインターネットを使えるようにしています。

理由2.コスパの良さが理由でVDSL方式を採用している。

わざわざマンション内に光ファイバーケーブルを張り巡らさなくても、もとからある電話線を活用した方がコスパが良いですよね。(通信速度は遅くなりますが…)

これは、管理会社が無料インターネットや専用のインターネットをマンションに導入しているケースでよく見られます。

※ただし、理由1のケースがほとんどです。

VDSL方式になっても光配線方式(1Gbps)を使う方法はある?

どうせ同じ月額料金を支払うなら、通信速度が速い光配線方式の方が良いと思う人が大半ですよね。

結論からお伝えすると、VDSL方式になった人でも光配線方式を利用する方法はあるものの難易度が高いです・・・。

その方法は以下の2つがあります。

  1. 管理会社・オーナーに相談する
    ※ほぼ不可能
  2. ファミリータイプ(一戸建て向け)で申し込む
    ※不可能ではないが難しい上に料金が上がりやすい
※注意

他のサイトではあたかも簡単に「VDSL方式から光配線方式に変えられる!」と書いているのをみかけますが、「正直厳しい」というのが業界人としての本音です。

騙されて苦労しないためにも2つの方法について解説しておきます。

方法1.管理会社・オーナーに相談する

管理会社またはオーナーに電話し、「VDSL方式だと遅いので、光配線方式を使えるようにしてほしい。」と伝える方法です。

ただし、管理会社・オーナーが大きな判断基準とするのはマンションに住んでいる多くの人からクレームがあるかどうかです。

速度の口コミや評判については後述しますが、実はVDSL方式で「遅い!」という人ばかりではありません。

基本的なインターネットの利用は10Mbpsほどの通信速度が出ていれば快適に利用できるからです。

オーナーに相談しろと書いているWebサイトがありますが、ほぼ無理なので辞めておいた方がいいです。(そもそもオーナーはVDSL方式という単語を知らないでしょう。)

方法2.ファミリータイプ(一戸建て向け)で申し込む

マンションタイプではなくファミリータイプ(一戸建て向け)で光回線サービスを申し込んで工事をしてもらえば、確実に光配線方式(1Gbps)が使えます。

なぜなら、ファミリータイプで光回線サービスを申し込むと、マンション内にある設備を使わずに、電柱からそのまま光ケーブルを部屋につないでもらうことができるからです。

電柱を通る光ケーブルを延長し一戸建てに引き込むイラスト
ファミリータイプ(一戸建て向け)で行われる工事ですが、マンションでも可能です。

ただし、この方法は難易度が高めです。

なぜなら、マンションで一戸建て向けの工事をしてもらうには、様々な条件(リスク)を覚悟しなければいけないからです。

  • マンションタイプよりも月額料金が1,000円ほど上がる。
  • 管理会社・オーナーから工事の許可をもらう必要がある。
  • 許可をもらえても、退去時には撤去工事をする必要がある。
  • 撤去工事費用は自己負担が基本。
  • 電柱から直接光ケーブルを引き込むため、1~2階に住んでいなければ工事できない。

実は、わたしは上記のリスクを覚悟してマンションで一戸建て向けの工事をしたことがあります。

1階に住んでいたので多くのリスクさえ覚悟すれば可能でしたが、正直言うと自分が電話してやり取りする手間なども非常に増えました。

もし、それでも「なんとかこの方法で工事したい!」と思うのであればアドバイスできる部分もあると思うので仰ってください。

※NURO光に注意

VDSL方式から脱却する方法として「NURO光などのサービスを申し込もう!」と書いているサイトに注意が必要です。

NURO光は基本的に一戸建て向けの工事を行うためそのように書かれているのですが、上記で説明した難易度・リスクはすべて覚悟しなければなりません。

単にNURO光を申し込ませたいというサイト側の意図に騙されないように。

結論からいうと、一度VDSL方式と判定されると光配線方式に変えるのは難しい。

実際にマンションの住人の多くが「VDSL方式だから遅い!退去する!」と言い出せば話は別ですが、VDSLが遅いから変えてくれ!とオーナーに言う人はそこまで多くありません。

また、一戸建て向けの工事をマンションで行うのも難易度が高いです。

これらのことを考えると、VDSL方式に一度判定されてしまった人はVDSL方式で光回線を利用することが一番の方法だと言えるでしょう。

VDSL方式(100Mbps)の通信速度は本当に遅いのか?実際の口コミや評判を調べてみた。

ここまで、VDSL方式と光配線方式をわかりやすく区別するために、「VDSL方式は遅い・光配線方式は速い」とお伝えしてきました。

しかしこれは、あくまで数値(100Mbps vs 1Gbps)だけに注目した場合となります。

そのため、実際にインターネットが快適に使えるかどうかは全く別の問題だと言えます。

というのも、通信速度の値は小さくても大きくても、インターネットコンテンツに最適な値さえ出ていれば快適に利用できるからです。

コンテンツ 快適な速度の目安
Webサイト閲覧 3Mbps
音声で通話をする 100Kbps
ビデオで通話する 2Mbps
動画や映画を視聴する 25Mbps
アプリをダウンロードする 5Mbps
オンラインゲームをする 4Mbps

人気コンテンツの公式サイトや他の情報も合わせて調査しましたが上記の速度が出ていればそれぞれのコンテンツを快適に利用できます。

ネット上の4K動画配信に関しては、現在の日本ではほとんど普及していないため、控えめに言っても10Mbpsの通信速度が出ていれば十分です。

※上り速度はアップロードの速度のことで、インターネット上に写真などをアップするときの速度を意味します(下り速度の方が利用機会が多いため重要です)。

これらのことを踏まえて、VDSL方式の通信速度に関する口コミ・評判を確認していきましょう。

まずVDSL方式には悪評がかなり多い…。

残念そうな顔をするねっぴ先生

VDSL方式の悪評はすごく多かったです…。

遅いという声が目立つものの、実は速いVDSL方式。

VDSL方式で下り速度27.82Mbps
教えるねっぴ先生

「VDSLなので遅い」と言っていますが…、実際には28Mbps近く出ているので十分に速い速度です。

VDSL方式の速度に満足する声。

VDSL方式で下り速度81.23Mbps
教えるねっぴ先生

81Mbpsの通信速度が出ているので非常に高速です。

最大100Mbpsと思えないぐらいに速いVDSL方式。

VDSL方式(?)で下り速度75Mbps
残念そうな顔をするねっぴ先生

「VDSL方式=遅い」という世間の認識がありますが、実際に測定した数値は高速だったケースもあります。

結論:一度立ち止まって考えるべし。

VDSL方式の評判を調べてみた結果、VDSL方式の通信速度の値はそこまで酷いものではありませんでした。

逆に、実際に出ている速度の数値だけを見てみるとインターネットを利用するうえでは十分な通信速度を実現しているとも言えます。

しかしそれにも関わらず、VDSL方式に対する悪評は非常に多いです。

これは、契約前からVDSL方式の数値(100Mbps)を見て「遅い=ネットも快適ではない」とすぐに決めつけてしまうユーザーが多いことを意味しています。

ちなみに皆さんは通信速度の値が高ければ高いほど、インターネットやアプリの動きがさらに向上すると考えていませんか?

ある意味正しいのですが、実際に体感することはできないでしょう。

通信速度の世界では、必要とされる速度さえ満たしていれば、それで十分なのです。

この記事を読まれた人は、VDSL方式だからインターネットが遅いとは断定できないことを理解して頂ければ嬉しく思います。

教えるねっぴ先生

もちろん、夜の混雑しやすい時間帯にVDSL方式で遅くなるという声もあります。

ただ、それは光配線方式でも同じです。

一斉にユーザーがアクセスする時間帯では、光配線方式でも5Mbpsほどになることがよくあります。

VDSLの方が速かったという声もあります。

※光回線の通信速度は利用エリアや使用しているルーターなどによって大きく左右されます。そのため、「光配線だから早い」「VDSLだから遅い」と決めることはできません。

追記:実際にVDSL方式で光回線を契約して試してみた。

VDSL方式でどれだけ速度が出るのか気になったので、実際に試してみました。

実はVDSL方式対応のマンションに引っ越してきたのです。

今回はソフトバンク光というサービスで検証してみましたが、やはりそこまで速度は遅くありませんでした。

詳しくは以下の記事にて検証しているので気になる人は今すぐ確認しておきましょう。

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